人生儀礼とは

  人生儀礼とは

 人生儀礼とは、人が生まれてから死ぬまでの一生の間の成長過程で、節目節目を迎えて、次の段階の新しい意味を見直し、考える儀式のことです。昔から行われてきた神事が本来の人生儀礼ですが、入学や卒業など神事とは直接関わりないものも、現代社会で生活する上では欠かせない人生儀礼となっています。さらに普通「人生」といえば、生まれてから死ぬまでですが、生まれる前から死んだ後について も人の生涯として取り上げていきたいと思います。一人の人間の人生を挟んだ、生まれる前から死後に至るまで、人生の大きな節目として考えていきたいと思います。

 ここで取り上げるおもな人生儀礼として、次の事について記していく事にします。

 (1) 安産祈願  10月10日        

 (2) 出産祝い 人間の可塑性について

 (3) 御七夜祝い              

 (4) 初宮参り

 (5) お食い初め              

 (6) 初節句

 (7) 七五三詣り              

 (8) 入学の祝い

 (9) 髪揚げ式・十三詣り(女子13才)    

 (10)元服式(男子15才)

 (11)成人式                

 (12) 厄除け・厄払い 忌中と喪中の違い 厄年について

    男子;25.42.61歳    女子;19.33.37歳

 (13)身祝い(賀の祝い)

   還暦(61).古希(70).喜寿(77).傘寿(80).半寿(81).米寿(88).卒寿(90).白寿(99).上寿(100)

 (14)お通夜・葬儀・葬式・告別式        お墓(墓石)の意味

 (15)命日・四十九日・祥月命日

 (16)親鸞上人 浄土真宗の教え 悪人正機説

 (17)年忌法要

 一周忌.三回忌.七回忌.十三回忌.十七回忌.二十三回忌.二十七回忌.三十三回忌.五十回忌.百回忌

 俗に赤ちゃんが誕生するまでの期間を昔から「十月十日(とつきとおか)」と言われてきました。実際の人の妊娠期間は平均266日位といわれています。WHO(世界保健機構)の指針によると、最終生理日から280日とされていますが、個人差があります。基本的には、最終月経の初日から280日目(40週)を出産予定日として計算します。ですから単純に10か月プラス10日の日付にはならず、むしろ9

か月と少しくらい先の時期となります。

 実際の妊娠週数の数え方は以下の通りです。

 (1) 最終月経の第1日目を「妊娠0日」とする。

 (2) 28日間を妊娠の1カ月とする。

 (3) 280日間を妊娠期間とし、280日目が出産予定日となる。

 妊娠1日目は、最終月経が始まった最初の日で、セックスをした日ではありません。また、最終月経 の開始日を基準と考える場合が多いので、妊娠を考えている場合は、前月の月経の開始日を覚えておきましょう。出産予定日は、最終月経の開始日をもとに決めるのが一般的です。

 出産予定日は、次のように計算します。

 (1) 何月になるかは、最終月経の月から「-3」する(引けない場合は「+9」)。

 (2) 何日になるかは、最終月経の日に「+7」する。

 具体的には、次のように計算します。

 (例1)最終月経:4月29日

     出産予定日:(4-3)月(29+7)日=1月36日=2月5日

 (例2)最終月経:1月29日

     出産予定日(1+9)月(29+7)日=10月36日=11月5日

 もっとも、出産予定日は、あくまでも目安です。月経周期が28日より長い人の場合は、28日周期の人と比べて、排卵日が遅くなりますから、出産もやや遅くなります。

 最近では超音波検査で胎児の大きさを計測して、出産予定日を計算してくれる場合もあります。

 基本的な妊娠週数の数え方は、以下の通りです。なお、妊娠4ヶ月目までが前期、7ヶ月目までが中期、その後が後期となります。

 ●妊娠1カ月

 妊娠0週 0(←最終月経の1日目)、1、2、3、4、5、6日目

 妊娠1週 7、8、9、10、11、12、13日目

 妊娠2週 14、15、16、17、18、19、20日目

 妊娠3週 21、22、23、24、25、26、27日目

 ●妊娠2カ月

 妊娠4週 28、29、30、31、32、33、34日目

 妊娠5週 35、36、37、38、39、40、41日目

 妊娠6週 42、43、44、45、46、47、48日目

 妊娠7週 49、50、51、52、53、54、55日目

 ●妊娠3カ月

 妊娠8週 56、57、58、59、60、61、62日目

 妊娠9週 63、64、65、66、67、68、69日目

 妊娠10週 70、71、72、73、74、75、76日目

 妊娠11週 77、78、79、80、81、82、83日目

 ●妊娠4カ月

 妊娠12週 84、85、86、87、88、89、90日目

 妊娠13週 91、92、93、94、95、96、97日目

 妊娠14週 98、99、100、101、102、103、104日目

 妊娠15週 105、106、107、108、109、110、111日目

 ●妊娠5カ月

 妊娠16週 112、113、114、115、116、117、118日目

 妊娠17週 119、120、121、122、123、124、125日目

 妊娠18週 126、127、128、129、130、131、132日目

 妊娠19週 133、134、135、136、137、138、139日目

 ●妊娠6カ月

 妊娠20週 140、141、142、143、144、145、146日目

 妊娠21週 147、148、149、150、151、152、153日目

 妊娠22週 154、155、156、157、158、159、160日目

 妊娠23週 161、162、163、164、165、166、167日目

 ●妊娠7カ月

 妊娠24週 168、169、170、171、172、173、174日目

 妊娠25週 175、176、177、178、179、180、181日目

 妊娠26週 182、183、184、185、186、187、188日目

 妊娠27週 189、190、191、192、193、194、195日目

 ●妊娠8カ月

 妊娠28週 196、197、198、199、200、201、202日目

 妊娠29週 203、204、205、206、207、208、209日目

 妊娠30週 210、211、212、213、214、215、216日目

 妊娠31週 217、218、219、220、221、222、223日目

 ●妊娠9カ月

 妊娠32週 224、225、226、227、228、229、230日目

 妊娠33週 231、232、233、234、235、236、237日目

 妊娠34週 238、239、240、241、242、243、244日目

 妊娠35週 245、246、247、248、249、250、251日目

 ●妊娠10カ月

 妊娠36週 252、253、254、255、256、257、258日目

 妊娠37週 259、260、261、262、263、264、265日目

 妊娠38週 266、267、268、269、270、271、272日目

 妊娠39週 273、274、275、276、277、278、279日目

 妊娠40週 280日目=出産予定日

 現在では、医師の診察に任せきり、父親となる人はもちろん、母親となる人本人も詳しい事情はわからないままになってしまうことも少なくないようです。あまり標準にこだわりすぎるのも避けた方がいいですが、知っておくに越したことはないでしょう。

 というのも、安産祈願を行う事が多いからです。自分自身の人生においては、世間的な常識などどこ吹く風で、神も仏もあるものかと自由気儘に生きてきた人も、他の人格、とりわけ弱者である我が子には、人並みのことは、念のためにこなしておこうと思うことが多いからです。その最初の儀礼が、安産祈願となる事が多いでしょう。「歳を取った」と周りから言われ、自分でも思うのは、こんな事がきっかけでしょう。

 妊娠中に赤ちゃんが無事に産まれるように願い、寺社仏閣で祈祷をしてもらうのが「安産祈願」です。

 これは日本独自の風習で、古くから受け継がれてきました。ただ、核家族化の影響で、いつ、どこで何をすればいいのかわからないが聞く人もいないことが少なくないこともあります。

 赤ちゃんを無事に産むことが一番の目的であるなら、こうすべきという決まりよりも、妊娠中の母親の体調を第一に考えて、できる範囲で習わしに従うのがいいはずです。

 まず、安産祈願は、別名「の日参り」とも言い、妊娠5ヶ月(16週)を迎えてから、最初に訪れる戌の日にお参りするのが習わしです。犬は多くの子犬を短時間で次々に産むことから、昔から安産の象徴と考えられていました。そんな犬にあやかり、安産を祈願したことが由来です。

 日本では日付にも十二支が割り振られており、「戌の日」は12日ごとに訪れます。具体的な「戌の日」は、右の通りです。

 妊娠5ヶ月(16週)目を迎えた最初の戌の日の頃には、一般的につわりなどが落ち着いてくる頃です。つまりもともと体調を考慮して決められたのです。現代では、妊娠中も仕事を続ける人も多く、安産祈願の日取り、妊婦さん自身の体調や仕事の都合などを考慮して決めましょう。特に期限がないので、土日で都合のよい日や、思い入れのある日付などでもかまいません。縁起をかつぎたい場合は、戌の日以外にも、の日やの日なども、“子だくさん”ということから安産祈願の吉日とされています。

  安産祈願は、一般的に神社またはお寺でしますが、どちらでも問題はなく、場所もどこでもかまいません。有名寺社に限らず、妊婦の体調に負担にならない所が良いでしょう。正式に祈願を受ける場合は、行く前に、下記をチェックしておきます。ただし、昇殿せずに、外から参拝するだけでも構いません。

 ①安産祈願の受付時間          

 ②安産祈願の予約が必要かどうか

 ③自宅からの距離や利用する交通機関    

 ④安産祈願にかかる平均の待ち時間

 ⑤安産祈願に必要な持ち物

 ⑥神社仏閣の足元状況(たとえば延々と砂利道を歩く、階段が多い、境内がとても寒い/暑い、など)

 安産祈願は、神社やお寺を参拝して、安産祈願のご祈祷を受けるのが一般的です。古くからの習わしでは、ご祈祷後に「」と呼ばれるさらしのを妊婦さんのおなかに巻きましたが、最近は腹帯を受け取るだけのようです。この岩田帯は、妊婦さんの実家が用意するとされていました。安産祈願で有名な神社やお寺では、すでに岩田帯が用意されている場合もありますから、腹帯は自分で用意する必要があるのかも、事前に確認しておきましょう。

 ご祈祷後の腹帯をかつては日常的におなかを守る目的で巻く習慣がありましたが、これは日本独自の風習で、医学的な根拠はないようです。ただ、大きくなったおなかを支えるために、おなかに何かを巻くと安心で温かいということはあります。骨盤サポータータイプのものや、マタニティガードル、腹巻き型のものなど、さまざまな種類のものがあるので、つける・つけないも含めて好みで選びましょう。

 正式に安産祈願のご祈祷を昇殿して受けると、の目安は、5,000円〜10,000円ヶ相場のようですが、金額は神社・お寺によって決まっている場合もありますし、「お気持ちで」と言われることも多いので、事前に確かめておいた方が良さそうです。もちろん、体調が思わしくない、時間がないなどの場合には、昇殿せずにお参りをするだけでも問題ありません。参拝した後、お守りや腹帯を購入して帰宅する人も多いようです。さらに、体調が不安定で、当日まで行けるか分からないという場合は、無理にご祈祷の予約をせず、行けるときに祈願・参拝するだけで十分です。体調を最優先しましょう。  安産祈願には、誰と行かなければいけない、という決まりはありません。昔は親族総出が一般的でしたが、現代では妊婦さんだけ、妊婦さんと夫、妊婦さんとその家族などの少人数で行うことが一般的になっています。安産祈願で人気の神社やお寺によっては、戌の日参りに参拝客が集中するため、ご祈祷を受けられるのは妊婦さんのみ、とされることさえあるようです。ただ、付き添いがいるほうが安心ですし、よくよくであれば、身内が代理で安産祈願を行っても構いません。

 安産祈願の服装に特別なきまりはありません。あまりラフすぎず、派手すぎずといった所です。体を締め付けない、着ていて楽なものを選びましょう。また、寺社仏閣は、冬は寒く夏は暑い場合もあるため、待ち時間が長くなることも想定し、季節や気温に応じて快適に過ごすことができ、体温調整しやすい服装を選びましょう。靴は履き慣れた歩きやすいものにします。神社やお寺の中は砂利道が続いていたり、階段や段差が多かったりするため、転ばないように気をつけます。あまりに急坂があったり、境内を延々と歩いたりする神社仏閣は選ばないこともポイントです。

 持ち物は、下記を参考に、前日までに準備しておきましょう。

 ①初穂料(ご祈祷料・お布施)…神仏にお供えするので、のし袋や白い封筒などに入れます

 ②賽銭用の現金…キャッシュレス化が進み、現金がなかったということがないように。

 ③腹帯(当日持ち込みが必要な場合)

 ④手さげ袋やエコバッグ…腹帯などの授与品をいただくことがあるため、持ち帰り用の大きめのもの。

 ⑤母子健康手帳など、ふだんの外出時の必携品

  安産祈願の当日の流れは、だいたい次のようになります。

 (1)手水舎で身を清める。

 (2)受付・・・神社やお寺の受付でご祈祷を申し込み、初穂料(ご祈

   祷料・お布施)を納めます。その後、待合室や境内などで順

   番を待ちます。待ち時間が長くなることもあります。

 (3)授与品を受け取る・・・ご祈祷の前後に、安産祈願にまつわるお

   札やお守り、祈祷済みの腹帯などを受け取ります。授与品の

   内容は、神社やお寺によって多少違います。

 (4)ご祈祷を受ける・・・神職や住職が、安産祈願を祈念するま

   たはをあげます。その際、祈祷を受ける人の名前と住所

   が読み上げられるため、一緒に神様・仏様に想いを伝えまし

   ょう。ご祈祷にかかる時間は、15〜20分程度です。

 (5)拝礼する・・・ご祈祷の後は、ご神前なら神様、ご仏前なら仏様

   にお参りをします。神社の場合は、「二礼二拍手一礼」の作法

   でお参りをしましょう。

 もちろん、昇殿して正式参拝を受けるのではなく、通常の参拝をする場合には、拝殿や本堂の前で、お賽銭を入れて祈願する事になります。その後社務所などに寄り、お札やお守り、腹帯などを頂きます。

 かつては、安産祈願をした日にお祝い膳をいただく風習がありました。お祝い膳をする場所は、安産祈願をする神社やお寺に近いお店を選ぶと、スムーズに食事を楽しめるでしょう。ホテルや料亭、レストランなどでは、お祝い膳メニューの用意がある店もあります。もちろん、特別な場ではなく、自宅で食事を楽しむ形でも構いません。いずれの場合も、安産祈願の主役は妊婦さんとおなかの赤ちゃんです。体調を第一に考えて、家族のサポートを受けながら、無理のない範囲で行いましょう。事情によっては省略するのも構いません。

 安産祈願後には、いただいたお札やお守りは、神棚や仏壇などに飾り、お守りは妊婦さん自身が身につけます。お札は1年お祀りしたのちに神社やお寺に納めますが、出産お礼の参拝時、または生後1ヶ月ごろに行う赤ちゃんの初参り(お宮参り)のときに納めてもよいでしょう。なお、お札やお守りは、受けたところへ納めるのが基本ですが、遠方の場合は近くの神社やお寺でもかまいません。

 安産祈願は昔からの風習ですが、もともと出産に向けての妊婦さんの不安感を解消する目的もあります。最近では、神社やお寺でのご祈祷だけでなく、別の方法で安産を願う人もいます。

 たとえば、おなかの赤ちゃんに「誕生を待っているよ」と伝える機会として、海外のように食事や歓談を楽しむ「ベビーシャワー」をするなど、夫婦や家族・友人で自分たちらしいイベントを企画する方法もあります。

  ベビーシャワーとは、妊娠・出産への喜びと祝福を伝えるイベントです。「baby shower」の「shower」には幸せが降り注ぐという意味があり、授かった赤ちゃんとこれからの出産を盛大にお祝いする願いが込められています。ベビーシャワーはアメリカで誕生しました。第二次世界大戦後のベビーブームの時期から始まった比較的新しい習慣ですが、このイベントは広く伝わり、現在は北米を中心に世界の多くの地域で開催されています。ベビーシャワーの発祥当時は、妊婦さんと女性のみが対象のイベントで、男性は不参加でした。しかし、時代とともに変化し今では男性が参加するケースが増えています。家族や友人が集まり、ホームパーティのような形式で行うことが一般的です。開催する時期は、マタニティさんの体調が安定している妊娠7~8カ月が目安とされています。

 近年では、イギリス王室のメーガン妃がベビーシャワーに多額の費用をかけたことが話題になりました。日本でも芸能人のあげたインスタグラムなどから人気が広まり、広く浸透しつつあります。赤ちゃんの誕生を祝う気持ちは世界共通のもの。今後はさらに身近なイベントになっていくでしょう。

記事作成日;    2024年4月(卯月)8日(月)        (Aprir8th Monday・如月30日)

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